滋賀県は来年度から、定年退職後に再任用された職員の勤務時間を、現在の週4〜5日勤務から週3日に短縮する。再雇用する職員の1人当たりの仕事量を減らし、新人職員の採用枠を確保する。県は「一種のワークシェアリング」と説明している。
 再任用制度は、年金の満額支給年齢引き上げに伴い導入された。希望者はほぼ全員が再雇用され、本人の年金満額支給開始まで雇用契約を毎年更新する。県によると、再任用者数は、制度開始の2002年度は直前の定年退職者103人のうち20人(19%)だったが、本年度は143人中42人(29%)に増加している。背景には、雇用情勢悪化で民間への再就職が困難な状況があるとみられる。県の計画によると、再任用職員2人で職員1人分とみなし、浮いた枠で新人確保を図っていくという。
 厳しい財政状況のもと、職員定数は減少傾向にあり、知事部局では本年度3207人と5年前より約400人少ない。一方、再任用職員は現在の90人から今後も増えるとみられ、新規採用の縮小に直結する恐れがある。県人事課は「適正な年齢構成を維持するには新人を毎年、一定数は採用する必要がある」と話している。

同記事では,滋賀県における再任用職員の勤務時間に関する方針について紹介.来年度より,現在の週4〜5日勤務から,週3日勤務へ改め,これにより「新人職員の採用枠を確保」することを目的とされている.
同県の『滋賀県人事行政の運営等の状況公告(県職員の職員数・給与などの状況) 』を拝読すると,平成20年度では,145名の再任用が行われており,その内訳は,「知事部局,議会事務局および行政委員会事局」が63名,「教育委員会」が73名(内,教育職51名),「警察本部」が7名(内,警察官3名),「企業庁」1名,「病院事業庁」2名の *1とある.また,同県の『職員給与等実態調査』をあわせて拝読すると,「再任用職員」のうち「フルタイム勤務職員が78人」,「短時間勤務職員が81人」であり,それぞれの内「行政職給料表適用職員」は「フルタイム勤務職員」で10名,「短時間勤務職員」が61名*2であることが分かる.
同県の同取組,「ワークシェア」と位置づけられる場合,「誰と,どの範囲の人と「ワーク」を「シェア」しよう」*3とするかの観点からは,正規職員をも含めた「雇用創造型」(49頁)とも位置づけられそう.同記事において指摘がなされるように,個々の再任用職員の勤務時間が減少された場合であっても,個々の再任用職員数の増加が見込まれる場合,結果的には「新規採用の縮小」への虞も想定されそう.その場合,如何に,「仕事の引き継ぎ」*4が進められ,同取組の具体化が図られるかは,要観察.