• 荒見玲子「自治体計画におけるガバナンスと情報−市町村地域福祉計画を事例に−」『公共政策研究』第9号,2009年,93〜108頁.

公共政策研究 第9号 小特集:政策と議論

公共政策研究 第9号 小特集:政策と議論

荒見玲子先生より,ご恵与賜りました.ありがとうございました.
本稿では,自治体計画の機能を「優先順位づけの機能」及び「現状の認定と潜在的行政需要の顕在化という機能」,「課題設定」と「執行・管理」(95頁)という4つの機能の観点から分類され,これらの諸機能を内包することが企図される「「理念型」としての地域福祉計画」に対して,実際の「「個別」の地域福祉計画」」においては,「どこかの機能に特化せざるをえない状況になっていること」(96頁)を,特に「情報効率性」(97頁)の観点から,個別自治体への「聴き取り,資料および部分的な参与観察調査を通じて」明らかにされております.
2009年12月5日付の本備忘録でも参照させていただきました前稿*1とあわせて,量的及び質的研究の双方を駆使されて,自治体の「バリエーション」(93頁)を明らかにされた両高論は,自治体における計画研究において,今後とも参照されつづける一本になるかと存じております.下名は,御高論内では,「行政の必要量の棚卸しと順位付けという,2つの矛盾する要請が内在」(95頁)すると位置付けられております,総合計画制度に関心を持ち,細々と観察を続けておりますが,今後とも繰り返し拝読さていただき,参照させて頂ければと存じております.
心より御礼を申し上げます.誠にありがとうございました.

*1:荒見玲子「ガバナンスにおける計画 −市町村地域福祉計画を事例に」『年報行政研究44 変貌する行政』(ぎょうせい,2009年)142頁

変貌する行政―公共サービス・公務員・行政文書 (年報行政研究)

変貌する行政―公共サービス・公務員・行政文書 (年報行政研究)