介護が必要な障害者や認知症の人に付き添ってトイレを利用したりする時、周囲の誤解を避けることを目的に、愛知県知立市は10日、「介護中」のマークを印刷したカードを12月1日から市内の希望者に無料で配ると発表した。
 高齢者夫婦の「老老介護」や母親と息子など異性間の介護では、場所によって周囲から不審がられ、不便が生じることがある。静岡県公益社団法人認知症の人と家族の会」(本部・京都市)の意見を参考に4月から導入し、知立市も効果を確かめることにした。カード(縦9センチ、横10センチ)は車椅子に乗った人と押す人をデザイン、「介護中」と「知立市」のマーク入り。介護者がプレートに入れ首からつり下げられる。同市はカード使用の事例として、介護中であることをさりげなく周囲に知ってもらいたい時▽駅や店舗、サービスエリアなどで異性のトイレに付き添う時▽男性介護者が女性用下着などを購入する時▽病院で2人で診察室に入る時−−などを挙げている。【安間教雄】

本記事では,知多市における「介護中カード」の希望者への配布の方針を紹介.同市のHPでは,現在では確認できず,残念.
本記事にて紹介されているよう,静岡県が「全国で初めて」,「介護家族」を行われている方に「介護マーク」*1を提供.同取組の背景には,「認知症の方の介護」は「他の人から見ると介護をしていることが分かりにくい」ことから「誤解や偏見を持たれて困っているとの声」があった,という.同カードの具体的な利用は,本記事でも紹介されている同市のように,「介護中カード」と同様に,「介護していることを周囲にさりげなく知ってもらいたいとき」「駅やサービスエリアなどのトイレで付き添うとき」「男性介護者が女性用下着を購入するとき」「病院で診察室に入る際,一見介助が不要に見えるのに2人で入室するとき」等での利用が想定されている.
2011年11月10日付の信濃毎日新聞による報道を拝読させて頂くと,同カードの配布は,同県では「無差別」には「配布はせず」,「市町村と地域包括支援センターの窓口を通じ説明して渡すようにしている」*2ともいう.なお,同県及び同県に位置する市町以外の自治体では,海老名市*3下関市*4でも配布.なるほど,「家族介護者」の「男性の割合の漸増」*5への配慮からか,「家族介護の領域の可視化」*6とも整理ができそう.