県は、獣害対策で捕獲されたイノシシの有効活用につなげるため、シシ肉料理のレシピ集を初めて発行した。野菜炒めや香草焼き、白菜鍋など15品を紹介。ビタミン豊富で低カロリーなシシ肉の魅力をPRする。
 「みえ発! 魅力発見! 山の幸しし肉料理レシピ」と題し、シシ肉料理の作り方を写真付きで紹介。シシ肉は加熱しすぎると硬くなることなど、調理する上での注意も書き込んだ。酒かす煮込みやミートローフなど、本格的な料理もある。県によると、2010年度のイノシシによる農業被害は1億9400万円で、全国13番目に多い。冬の狩猟期以外は獣害対策で捕獲されるが、冬に比べて脂身が少なく、ほとんどが山林に埋めて処理されるという。県は夏のシシ肉を有効活用し、地域活性化にもつなげたい考え。昨年3月には、同じく獣害被害を出すシカ肉料理のレシピを発行。県民や飲食店などから問い合わせが相次ぎ、さらに5000部を増刷したという。シシ肉のレシピ集はオールカラーで、B5判15ページ。3000部作り、県庁や県内の各農林水産商工環境事務所で無料配布している。問い合わせは平日に、県農山漁村室=電059(224)2017=へ。(宿谷紀子)

本記事では,三重県における料理本発刊の取組を紹介.同取組に関しては,同県HPを参照*1
同県では,「野生猪の生息頭数の増加や生息区域が拡大した結果」,「農林産物への被害が増加」し,「その被害を軽減するため」に「個体数調整のための捕獲」が実施されてきたものの「捕獲した野生猪が食されることは少ない状況」にあり,「獣害対策の推進と地域の活性化を目的」として「捕獲した猪の利活用を進める取り組みの一環」として,「しし肉料理レシピ集」を発刊.「B5」サイズの「15ページ」からなる冊子には「15品」*2のレシピを掲載.また,本記事後段でも紹介されているように,同県では,2011年3月に「鹿肉料理レシピ集」が発刊されており,同レシピ集の改定版が2012年2月に発行されている.「鹿肉料理レシピ集」は,猪よりも5品多く「20品」*3が掲載されている.
簡単に他都道府県の作成状況を確認させて頂くと,高知県では,18種類を掲載した「シカ肉料理レシピ集」を2009年に発行*4.同じく2009年には,福岡県では,イノシシ料理は13品,シカ料理は3品が掲載された「イノシシ・シカ肉料理レシピ集」*5,長野県では,鹿肉料理23品を掲載する「信州ジビエ料理レシピ集」*6をそれぞれ発刊されている.2010年には,大分県でイノシシ料理を13品,シカ料理を12品を掲載した「シシ肉・シカ肉料理レシピ〜ジビエ料理のすすめ」を発刊*7.2011年には,福井県で,イノシシとシカを合わせて「森のお肉」と呼称し,3品を掲載した「森のお肉のごちそうレシピ」を発刊*8されている(その他の都道府県でも発刊されているかもしれません.要確認).発刊されるレシピ本に掲載される料理数の差異からは,定番料理のみならず,「地産地食」*9となる,地域特色がある料理も各レシピ本では掲載されているのだろうか.実際にレシピ本を入手し,料理内容の比較分析などもできると(そして,実際に料理もしてみると),楽しそう(おいしそう).

*1:三重県HP(県の組織県の組織一覧農山漁村室お知らせ・行政情報)「しし肉料理レシピ集を発行しました 平成24年3月17日

*2:前傾注1・三重県(しし肉料理レシピ集を発行しました 平成24年3月17日)

*3:三重県HP(県の組織県の組織一覧農山漁村室お知らせ・行政情報)「鹿肉料理レシピ集【改訂版】を発行しました! 平成24年2月28日

*4:高知県HP(組織でさがす文化生活部鳥獣対策課)「「シカ肉料理レシピ集」を作成しました

*5:福岡県HP(県政情報県の発行資料)「「イノシシ・シカ肉料理レシピ集」を作成しました 2009年09月14日

*6:長野県HP(長野県の組織一覧(本庁)林務部森林づくり推進課)「信州ジビエ

*7:大分県HP(組織からさがす森との共生推進室)「シシ肉・シカ肉料理レシピ〜ジビエ料理のすすめ〜の刊行について

*8:福井県HP(報道発表資料トップ)「ふくいのおいしいジビエ料理レシピ を作成しました 平成23年12月16日

*9:礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『改訂版 ホーンブック地方自治』(北樹出版,2011年)149頁

ホーンブック 地方自治

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