神奈川県は28日、子どもを持つ女性の就職活動を支援するため、面接用スーツの無料貸し出しサービスを神奈川労働局と共同で9月2日から始めると発表した。出産して子育てしながら就職を希望する女性の要望を受け実施を決めた。県によると、こうした取り組みは全国的に珍しいという。
 貸し出すのは黒の上着とタイトスカートの計10セット(サイズはSS〜3Lの6段階)。県内に本社がある紳士・婦人服会社「AOKI」から無償提供を受ける。貸し出し対象はマザーズハローワーク横浜内相談室(横浜市西区)の利用者で、貸出期間は1週間。利用者は返却時に自費でクリーニングする。
 開始のきっかけは、女性たちの切実な声だった。マザーズハローワークで「(就職用の)スーツを購入する費用がない」「今の体に合うスーツを持っていない」などの声が多数寄せられたという。同日記者会見した黒岩祐治知事は「ブランクがあり、スーツを持っていない女性が、気後れすることなく面接に臨み、就職につながるようになれば」と期待を込めた。【山本悠香子=インターンシップ生】

本記事では,神奈川県における「面接用スーツの無料貸し出し」の取組を紹介.同取組の概要は,同県HPを参照*1
同県では,神奈川労働局内に設置されている「マザーズハローワーク横浜を活用して就職のための企業面接を受けようとする女性を対象」に,本記事でも紹介されている同社から「寄付を受けたスーツ」を「1週間を限度に無料で貸し出しをするサービス」*2を2013年9月2日から実施.「貸出スーツ」は「女性用黒色の上着とタイトスカート」が「10セット」,「内訳」は「SS」が「1セット」「S・M・L・LL」が「各2セット」,「3L」が「1セット」*3となる.利用者の借り出しは,上記の「無料」ではあるものの,後の利用者のために「自費でクリーニング」をしたうえで「返却」*4することが求められている.
なるほど,都道府県が担う役割としての「総合性」*5が窺えそうな同取組.実際の利用状況は要確認.

*1:神奈川県HP(神奈川県記者発表資料)「就職活動をする女性のために面接用スーツを貸し出します―(株)AOKIからの寄付を受け、無料で―

*2:前掲注1・神奈川県(就職活動をする女性のために面接用スーツを貸し出します―(株)AOKIからの寄付を受け、無料で―)

*3:前掲注1・神奈川県(就職活動をする女性のために面接用スーツを貸し出します―(株)AOKIからの寄付を受け、無料で―)

*4:前掲注1・神奈川県(就職活動をする女性のために面接用スーツを貸し出します―(株)AOKIからの寄付を受け、無料で―)

*5:市川喜崇「都道府県の性格と機能 公的ガバナンスにおける政府間関係」新川達郎編著『公的ガバナンスの動態研究―政府の作動様式の変容』(ミネルヴァ書房,2011年)202頁