相模原市がイラスト入りの婚姻届を作成し、各区役所やまちづくりセンターの窓口で配布を始めた。新たな門出を迎えたカップルを祝福するオリジナルの“ご当地婚姻届”。届けを出したカップルに記念のメッセージカードも贈っている。
 将来の人口減少を見据えて、市内への定住を促進させる取り組みの一環。イラストは、パラパラ漫画で有名なお笑い芸人・鉄拳さんに依頼した。未来の相模原を背景に、結婚から出産や子育て、老後と2人が歩む様子が描かれている。メッセージカード(A5判)は、鉄拳さんの作品に「新生活を相模原市で」と添えた。裏面には記念写真が貼付できるスペースも。緑区では、観光名所として知られる藤野地区の山中の「緑のラブレター」を撮影したスクリーンを合同庁舎1階に設置。婚姻届の提出時に記念撮影で使ってもらおうと、2人の思い出づくりに一役買っている。
 市シティセールス・親善交流課によると、婚姻届は市外に居住していても市内で出せる。オリジナル婚姻届による届け出は配布を始めた昨年11月中旬から同月末までに市内3区で計14件あった。メッセージカードは計約200枚贈った。同課は「ユニークな取り組みを印象づけて市に興味を持ってもらい、将来住んでもらえれば」と話している。このオリジナル婚姻届の区役所などでの窓口配布は今年3月末まで。

本記事では,相模原市における婚姻届の取組を紹介.
同市の「市制施行60周年を記念」し「オリジナル婚姻届」を作成*1.同届は「各区役所」の区民課」「各まちづくりセンター」,「各出張所」と「連絡所」で配布されており,「配布期間」は2014年「11月20日」から開始しており,2015年「3月31日」までとなる.また,「婚姻届を提出された時の思い出のひとつ」であることを目的に「二人にお互いのメッセージを記入」する「メッセージカード」*2も制作している.本記事では,上配布開始期間のうち「11月中旬から同月末まで」の配布状況は「市内3区で計14件」であったことを紹介.
同市が毎月公表する「月報さがみはら」によると同月の「婚姻組数」は「356」*3件であり,10日間で同市の婚姻の約3.9%が利用されたことが分かる.同取組を通じて,同市での婚姻への「機会を提供」*4とともに,さらには「Iターン」*5による「移住の長期化」*6となる結果は,要経過観察.

*1:相模原市HP(暮らしの情報戸籍・住民票・パスポート婚姻届)「オリジナル婚姻届

*2:前掲注1・相模原市(オリジナル婚姻届)

*3:相模原市HP(人口・統計人口と世帯数月報統計さがみはら(各月の町丁字別人口と世帯等)人口の概要 )「婚姻

*4:増田寛也編著『地方消滅 東京一極集中が招く人口急減』(中央公論新社,2014年)76頁

*5:山下祐介『地方消滅の罠 「増田レポート」と人口減少社会の正体』(筑摩書房,2014年)220頁

*6:田切徳美『農山村は消滅しない 』(岩波書店,2014年)212頁

農山村は消滅しない (岩波新書)

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