女性が就職や結婚、出産・育児などの転機を迎えても、柔軟に生き方や働き方を選択できる社会への一歩にするため、都は、東京の女性の現状と課題を分析した「女性活躍推進白書」をつくった。女性の活躍に焦点を絞り今後の取り組みを盛り込んだ白書は全国の自治体で初めてという。
 舛添要一知事は十六日の定例記者会見で「家庭も仕事もちゃんとやりたい、キャリアを継続したい、そういう女性を応援する必要がある」と語った。
 白書は三部構成で計二百三十八ページ。現状分析に続いて、仕事を続ける上で壁を乗り越えた女性たちのエピソードの紹介、活躍を後押しする今後の取り組みをまとめている。たとえば現状分析では、男女の家庭内での役割分担に関する都の調査(二〇一四年)で、「男性は仕事、女性は家事・子育て」との回答が42・8%で最も多く、「男女とも仕事をし、家事・子育ては主に女性が担当」は24・2%で、主に女性が家事・育児をしている家庭は約七割。「男女とも仕事をし、家事・子育ても男女で分担している」は15・5%にとどまった。仕事で収入がある女性の平均帰宅時間も、全国の午後五時五十六分に対し、東京は都道府県別で最も遅い午後六時三十七分だった。東京の女性の29・1%が地域活動や社会活動に「参加したいが、できていない」とも答えており、「仕事が忙しい」「家事や育児・介護が忙しい」などの理由が多く挙がった。
 第二部のエピソードでは、「在宅勤務で仕事と育児の両立」など十一の事例からどんな障壁があったか、どう克服したかを整理。それを踏まえて第三部で今後の施策の方向として、ライフスタイルに応じて柔軟な働き方ができるようにする支援、中小企業での女性の就業継続や登用促進の後押しなどを提言している。
 白書はウェブサイト「TOKYO・ワーク・ライフ・バランス」で見られるほか、三月下旬から販売予定という。

本記事では,東京都における『女性活躍推進白書』*1の策定を紹介.
同白書は3部構成.「第1部」では「東京の女性活躍の現状と課題」,「第2部」は「未来につながる女性の活躍の姿」としての「事例」を記述し,「第3部」は「現状・課題を乗り越え」「活躍の事例を支えている組織や人の力や工夫を,社会全体に拡げていくため」の「提言」*2が示されている.
現状のなかで「労働時間」を確認すると,「女性は短時間勤務者やパート労働者が多いこともあり」「1人当たり平均月間の所定外労働時間数自体は短いものの」「東京都はやはり全国に比べて長く」「平成26年は全国5.7 時間に対し」「7.7時間と2時間長く」*3,「正規の職員・従業員」は「東京都の女性の1割」「男性の2割」は「法定労働時間週40 時間より20時間長く」「週60時間以上」勤務しており,「週休2日」とした場合「1日平均4時間の残業時間」*4になる,という.
「労働時間の無限定性」*5を解消するべく,「働き方の見直しを推進」*6する取組の実施状況は,要確認.

*1:東京都HP(雇用・労働東京都女性活躍推進ポータルサイト )「「東京都女性活躍推進白書」を策定しました!

*2:東京都HP(雇用・労働東京都女性活躍推進ポータルサイト「東京都女性活躍推進白書」を策定しました!)「東京都女性活躍推進白書」(東京都,平成28年2月)215頁

*3:前掲注1・東京都(東京都女性活躍推進白書)70頁

*4:前掲注1・東京都(東京都女性活躍推進白書)71頁

*5:筒井淳也『仕事と家族』(中央公論新社,2015年)104頁

*6:前掲注1・東京都(東京都女性活躍推進白書)221頁