県が、空き公共施設などを活用した企業誘致を推進している。若者の流出による人口減少が見込まれる地域の活性化が目的だ。昨年度は5件の進出が決まり、今年度も新たに5件を目標に、市町村と連携する方針だ。
 物件は、小学校や保育園、幼稚園といった空き公共施設や空き店舗など。県は、銚子市南房総市芝山町など賛同する18市町と連携し、現在20施設の情報をホームページで紹介している。特産の魚介類やサーフィン、ゴルフ場の写真なども掲載し、ゆとりある環境で新しい働き方を提案している。
 県は、企業誘致フォーラムなどでも、「都心に近く自然も豊富」とPR。昨年度は、フォーラムなどを生かし、市町村と企業のマッチングを138回実施した。勝浦市の廃校となった小学校に、様々な事業主らが共用するコワーキングスペースの事業を手がける企業の進出が決まるなど、2市1町で計5件決まった。県は今年度当初予算で、1800万円の事業費を計上した。
 銚子市は、総務省の支援事業で、銚子ポートタワーの展望室などを企業に短期間貸し出している。森田知事は20日、高市総務相と展望室を視察後、記者団に「県としても一層促進するため、道路ネットワーク(の整備)や進出企業への補助金の充実に取り組みたい」と述べた。
空き公共施設に進出が決まった昨年度の事例
南房総市・旧長尾小学校
 メディア広告作成会社
 ウェブ制作会社
 大学のサテライトキャンパス
勝浦市・旧清海小学校
 コワーキングスペース事業会社
→栄町・旧酒直小学校
 ストレッチスタジオ

本記事では,千葉県における空き公共施設の活用の取組を紹介.
同県では「地方創生加速化交付金を活用し」「空き公共施設等」へ「IT・ベンチャー企業サテライトオフィス等を誘致」*1する事業を実施.本記事によると,2016年度は「5件の進出」し,2017年度は「新たに5件」の利用が予定であることを紹介.誘致後の各施設における「交流しあう場」*2としての利用状況は,要観察.

*1:千葉県HP(しごと・産業・観光企業誘致企業立地支援・誘致政策空き公共施設等の利活用について空き公共施設への企業の進出について

*2:松井望「公共施設の複合化とその管理」公益財団法人日本都市センター『超高齢・人口減少時代に立ち向かう』(公益財団法人日本都市センター,2017年)153頁

超高齢・人口減少時代に立ち向かう-新たな公共私の連携と原動力としての自治体-(地域経済財政システム研究会WG報告書)

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  • 作者: 井手英策,沼尾波子,村山卓,松井望,佐藤宏亮,宮崎雅人,関口智,清水浩和,公益財団法人日本都市センター
  • 出版社/メーカー: 公益財団法人日本都市センター
  • 発売日: 2017/05/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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