学生感覚スパイスに 千代田区の広報紙 「神田カレー特集」一緒に作成(日本経済新聞2021年10月5日)

広報紙をもっと若者に見てもらおうと、千代田区が10月5日発行号で表紙や特集など計4ページ分を区内の大学生と一緒に作った。取り上げたのは神田で開かれているカレー店のスタンプラリー。もともと本の街である神田では、片方の手で読みながらでも食べやすい料理としてカレーが広まったとの説もある。新型コロナ禍で「黙食」「個食」を若者に推奨する狙いもある。(井上靖史)
 参加した学生は、いずれも区内に住む岡田万由子さん(津田塾大三年)や高橋悠司さん(法政大三年)、磯佳江さん(東京理科大二年)、園本アンナさん(専修大二年)、壁田(かべた)悠里さん(玉川大一年)。区として初めて募った「大学生広報サポーター」に応募した。
 神田はカレーを提供する店が四百店あるとされ「日本最大級」の密集地帯とも言われる。学生たちはイベントに参加している百十四店の中から老舗店、コロナ禍で新たな試みを始めた店、他店との連携メニューを用意している店など選び、取材交渉から写真撮影、記事の執筆まで一カ月間、活動した。
 表紙から三ページ目までと最終面に特集で掲載。若者が手に取りやすいよう、おいしそうなカレーの写真を大きく扱い、見栄え良く仕上げた。学生たちも表紙から登場する。「チーズトッピングとの相性完璧」「スパイスの香りバツグン」などと取材の感想をストレートに載せ「同世代に響くよう心掛けた」という。
 都合で欠席した壁田さん以外の四人が九月三十日に樋口高顕区長に作成を報告。学生たちは他店と連携したメニューで神田全体を盛り上げている店があることに触れ「イベントを通じてコミュニティーも広がっている。街の魅力を再発見できた」と感想を述べた。
 区長は「区の人口は六万七千だが、コロナ前は八十五万人が通勤通学していた。テレワークによる地域経済への影響は大きい」と述べ、区としても活性化を支援していると説明。「区政について年代や性別を隔てずに届けたい。若者が区報を読まない理由もあるでしょう。今後も一緒にやっていきたい」と続けた。
 スタンプラリーは来年一月まで。集めて応募すると抽選で商品券や食事券が当たる。

本記事では、千代田区における広報の取組を紹介。

同区では、2021年10月5日号の同区広報では、同「区在住の大学生」による「神田のカレー店」の「取材」「区*1内容を紹介。

同区の「魅力を向上」*2に繋げる同取組。今後の取材状況は要観察。

*1:千代田区HP(区政 : 広報 広報千代田(広報紙)広報千代田」 vol.1553 令和3年(2021年)10月5日号

*2:野田遊『自治のどこに問題があるのか 実学地方自治論』(日本経済評論社、2021年)149頁

自治のどこに問題があるのか (シリーズ政治の現在)

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  • 作者:野田遊
  • 発売日: 2021/03/03
  • メディア: 単行本