金ケ崎町は県内初の児童表彰制度条例(通称・子褒め条例)の施行目標を1年先送りし、来年4月とする方針を固めた。町民や町内関係団体からの異論を受けたもので、町は2月中旬にも地域、学校、行政で構成する検討委を立ち上げ具体案を再考する。行政主導で進めてきた制度づくりを見直し、2013年度内の制定を目指して機運を高める。
 同制度は家庭、地域、学校が児童の個性や能力を評価して推薦し、町内の小学6年生全員を表彰する内容。健康、努力など各賞を想定し、児童にメダルや賞状を贈る。町によると、同様の制度は県内他自治体にはない。16日は町内で町PTA連絡協議会への説明会を開催。参加者は子どもを地域ぐるみで褒め育てる趣旨に理解を示す一方、町側の唐突な提案への不満や自治会長らの負担増などに異論が噴出し、同定例会での提案は見送られた。また、家庭、地域推薦に関わる自治会やPTAなど4団体には、昨年12月下旬から初めて説明会を開催。これに対し、自治会長からは「協働のまちづくりの原点に返り関係団体と(制度を)まとめるべき」「ボタンを掛け違っている」などの反発が相次いだ。

本記事では,金ケ崎町における「児童表彰制度」の施行予定を紹介.同制度は,同町HPを参照*1
同制度の概要を拝見すると,まずその目的は,「大人である親や地域住民」「教師が地域ぐるみ」で「児童の個性や能力及び取組みの良さを見出し」「これを認めほめること」で「自信と誇りを持たせ,心身ともに健全な児童」の育成を目指すとある.対象は「6学年時に全員表彰」.そして,「表彰」には,「健康賞」「努力賞」「創造賞」「親切賞」「友情賞」「明朗賞」「親孝行賞」「奉仕賞」「読書賞」の9種類が設けられている.
表彰に至るまでの大まかなスケジュールと手続は,次の通り.まず4〜6月に「民生委員,子ども会育成会」,「各種団体などからの推薦を自治会長が中心に取りまとめ」,「対象となる児童を地区生涯教育センター所長へ推薦」する.そして,「 各地区生涯教育センター所長」が「各地域からの推薦を取りまとめ各学校へ推薦」.また,同時期には各家庭からの推薦も募り,「各家庭での児童の個性や取組姿勢」に基づき「学校へ推薦書を提出する」.この二つの推薦手続の経路を経て,7〜8月には学校で「担任教師が児童個々を観察」.その「個性や取組姿勢」,「各地区生涯教育センター所長からの推薦を踏まえ」「該当する賞を選考」.選考の結果を「学校長から教育長へ推薦」する.9月には教育委員会が「学校からの推薦に基づき町長へ内申」し,同月には町長が「教育長からの内申に基づき被表彰者」を決定する.10〜11月には「各学校」で「町長及び教育長から賞状とメダルの授与」*2が行なわれる.以上の内容が予定されている同制度は,当初は2013年「4月」に「条例施行」となり「家庭・地域・学校への推薦依頼等」*3を予定されていたものの,本記事では,同制度の施行は「来年4月とする方針」に改められたことが報道.
地域での個々の児童への「社会的な評価が高まる」*4ことが期待できそうな同制度.同制度に関する資料では「6学年時に全員表彰」ともある.これはその語の通り「全員」を,必ず9つの表彰の何れかの候補者として推薦することなるとすれば,なるほど確かに,推薦に至るまでの選考手続の時間も係りそう.今後の実際の実施方法は,要確認.

*1:金ヶ崎町HP(平成24年度町民懇談会:平成24年度第2回町民懇談会(11月15日〜12月4日))「〓.児童表彰制度の新設について

*2:前掲注1・金ヶ崎町(〓.児童表彰制度の新設について)10頁

*3:前掲注1・金ヶ崎町(〓.児童表彰制度の新設について)10頁

*4:松井望「第11章 政策設計と政策実施.評価」柴田直子・松井望編著『地方自治論入門』(ミネルヴァ書房,2012年)223頁

地方自治論入門

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